仙花紙本・小栗虫太郎と海野十三
 探偵小説以外のジャンルにも筆を広げた2人の才人の仙花紙本を取り上げました。各個人の他のコレクションや解説はそのうち別項を設けるつもりでいます。ここでは表紙絵の雰囲気だけお楽しみ下さい。


 まずは小栗です。やはり仙花紙本は2色刷りが基本ですね。
熊谷書房 S21年 再版
 2色といえば赤と黒なんでしょうか。
高志書房 S22年
 著者名にだけ赤が使われていて一見贅沢ですが、背表紙は真赤です。『続』と合わせて一冊分です。
高志書房 S23年 3版
 黄色と黒と赤の組み合わせは目立つ、と小学校の図画の時間に習いましたね。
高志書房 S22年
 高志書房は小栗の出版に力をいれていました。緑一色でもこれだけの雰囲気が出るのですね。
高志書房 S23年 再版
 ここから海野の作品です。
 よっぽどの自信がないと、この字でタイトルは描けません。
隆文堂 S22年
 伊藤幾久造画伯です。挿絵もあるし、著者の言葉もあるし仙花紙とは思えない丁寧な作りの本です。
偕成社 S22年
 丁寧で誠実な表紙なのに装丁者名がありません。Aの字がコンパス、Iの字がナイフ、これですよこれ。
松竹 S22年
 田中比左良の絵です。『ラジオ殺人』なのにラジオがない、と思うでしょ? ちゃんと裏表紙にあります。
文人社 S22年
 これは多分「蝿男」なんでしょう。「じゃあお前描いてみろ」と言われても正攻法で描く自信はないです。
自由出版 S23年
 表紙の紙は厚いし、見返しイラストや口絵もあるし、それに何より4色表紙。この時代にあっても海野は売れたのか、他の作家ではこうはいきません。
高志書房 S24年 3版
 この画像では元の色が再現できてなくて残念です。本当はもっとドギツくて美しいです。
八重垣書房 S24年