海外戦前函物
 僕はJ・D・カーと創元推理文庫以外、基本的に海外物は集めていないのですが、戦前の函物は装幀目当てに積極的に買っています。同時代の日本の函物に比べて値段もはるかに安いのが魅力です。
 内容は、読んでないので分かりません(笑)。この時代の主要翻訳者で、ヴァン・ダインの名をもじった「伴大矩」の訳は評判が悪い(現在流通している本に一冊も訳が残っていないのが証拠)のですが、読まないので関係ないです(笑)。どれほどのものか、ちょっと興味があります。


 赤毛のレドメイン家
フイルポッツ作 井上良夫訳 松野一夫装
柳香書院 S10年
 乱歩、雨村責任監修による「世界探偵名作全集」の1巻目です。バタくさいです。良いぞ、松野一夫。
 十二の刺傷
クリスティ作 延原謙訳 松野一夫装 
柳香書院 S10年 同2巻目
 中身は『オリエント急行の殺人』ですが、オリエント急行は出てきません。なぜかシンプロン急行という名前です。
 赤色館の秘密
ミルン作 妹尾アキオ訳 松野一夫装 
柳香書院 S10年 同3巻
 この画像ではわかりませんが、色の網が粗くていいです。
 陸橋殺人事件
ノックス作 井上良夫訳 松野一夫装 
柳香書院 S11年 同5巻
 カッコイイデザインです。花のノンキさとの落差がいいです。松野ならなんでも褒めます。
 矢の家
メースン作 妹尾アキオ訳 松野一夫装
柳香書院 S11年 同6巻
 画面に人物を一人だけ配置させると、ストーリーを色々と想像させます(小さいほうが効果的です)。最近挿絵を描くときに心がけてます。
 この全集の予告には30巻分の書名がアップされていますが、結局ここまでの5冊しか出ませんでした。最初に大風呂敷を広げる出版社は信用できないという証明です。4巻目は出なかったので、このシリーズはこれでコンプリート
 
クロフツ作 森下雨村訳 松野一夫訳 
柳香書院 S10年
 柳香書院の本ですが、シリーズに入っていないのは主人公が探偵じゃないからでしょうか?(笑)
 「表紙にタイトルがない」という大胆なデザインはさすが松野一夫。「樽からこぼれた金貨と女の手」誰が見ても『樽』なんですけどね。
 狂龍殺人事件
S・S・ヴァンダイン作 伴大矩訳
荻原星文館 S11年
 ここからの5冊は「猟奇探偵」というシリーズです。これらは全部で何冊あるのか知りません。
 デパートの古書市でこいつを安く拾ったのが、このジャンルを集めるきっかけになりました。
 左が函、右が本体。
 賭博場殺人事件
S・S・ヴァンダイン作 伴大矩訳
荻原星文館 S11年
 このシリーズは装幀者の名前がありません。そういう出版社なのでしょう。
 そういう時代なのです。
 左が函、右が本体。
 魔棺殺人事件
J・ディクスン・カァ作 伴大矩訳 
荻原星文館 S11年
 「『狂龍』をデパートで拾った」と、書きましたが、このシリーズは割と古書市などで見かけます。でも、この『魔棺』は絶対に落ちてません
 中身は『三つの棺』です。
 左が函、右が本体。
 紙魚殺人事件
バァナビイ・ロッス作 伴大矩訳
荻原星文館 S11年
 『レーン最後の事件』です。創元文庫版は中学のときに読み、今ではさっぱり覚えていないのですが、こんなタイトルになるような話でしたっけ?
 ABC殺人事件
アガサ・クリスチイ作 伴大矩訳
荻原星文館 S11年
 これ以外のシリーズ作品は全部、思いっきりな邦題にしてるんだから、これもそうすれば良かったのに。『絵美死』とか、『いろは』とか(笑)。
 左が函、右が本体。
 トレント自身の事件
ベントレイ作 露下*訳 吉田貫三郎装
春秋社 S12年
 和も洋も春秋社の本は高いです。訳者の名前が変換出来ません。弓偏に淳の右側です。
 本体の背表紙がカッコイイのですが、色指定ミスで「トレン|」になっているのが愛嬌。
 左が函、右が本体。
 観光船殺人事件
ビガース作 露下*(弓偏に淳の右側)訳 吉田貫三郎装
春秋社 S10年
 表と裏のつながり装幀が格好いいです。名のある人は違います。
 左が表、右が裏。
 白魔
スカーレット作 森下雨村訳 吉田貫三郎装
春秋社 S10年
 これは英字側のイラストの方がカッコイイので画像もそっちを選びました。日本側は黒字に白の羽根。
 漂石殺人事件
マイヤース作 寺田鼎訳
アドア社 S11年
 装幀者の記述なしです。
 ケンネル殺人事件
ワ"ンダイン作 延原謙訳 松野一夫装
新潮社 S8年
 自作函を作った途端、本物を安く見つけてしまいました。人生そんなもんです。
 普通ダブりは手放すのですが、これはそれ故に2冊並べてます。

函欠け2冊です。
左 Yの悲劇
バーナビイ・ロス作 井上良夫訳 
春秋社
右 ポンスン事件
クロフツ作 井上良夫訳
春秋社 S11年
 函が目当てで買っているので基本的に函欠け本は買わないことにしていますが、『ポンスン』は春秋社の本を呼び寄せる流れをつくる(当時は一冊も持っていませんでした)ために買いました。そのうち函はつくります。

棚に並ぶとこんな。
高価な本はガラス棚を与えられます。
くすんでます。煤けてます。