手作り函
 古書の函は美しいです。それ故に高いです。大抵は中身の本より高いです(中身の10倍ぐらいが相場でしょうか)。別版で読むことの出来る中身より、そこでしか手に入らない函の方に価値を見いだすのは当たり前と言えば当たり前ですが、なんかちょっと悔しいです。
 そこで悔し紛れに自分で函を作ることを思いつきました。
 楽しい作業になりました。お金もかからないしね。
 今まで本棚の中で肩身狭そうにしていた本達も、お化粧直しをされてちょっぴり嬉しそうです。


函欠け本の中で特につらいのは全集です。これは並べたときに非常に格好悪いです。
上の本は谷譲次の『一人三人全集』(新潮社 S9年)、左が本物の『テキサス無宿』、そして右がそれを見ながらそっくりに絵を描いた『踊る地平線』。本当は函の裏にも同じ絵があるのですが、疲れたので止めました。 
『一人三人全集』で、本物に似せるのは懲りたので、喜国オリジナルな物を作ることにしました。
左、創元文庫の『D・カー入手困難3部作函』
右、角川文庫『宝石傑作選集5冊セット函』
『人狼城の恐怖』があまりにも面白かったので、「喜国雅彦探偵小説大賞」というのを贈呈しました。受賞者の二階堂さんに「副賞はないのか?」と言われ、急遽つくったのがこの『人狼城4冊セット函』です。 プレゼントしたあとで、自分用に作ったので、この函だけはこの世に2部存在しています。
山口雅也さんにお祝いごとがあったので、プレゼント用に『日本殺人事件正続セット函』を作りました。まだ本人には渡していません。
函欠けの縮刷黒岩涙香が3冊あったので、
自家製カバーを掛けてやりました。
二束三文で手にいれた、函欠けの
小酒井不木『趣味の探偵談』(黎明社 T14)
木々高太郎『折蘆』(春秋社 S12)
小酒井不木『三面座談』(京文社 T14)
橘 外男『太陽の沈みゆく時』(日本書院 T11)
という地味な本たちも

自家製カバーでこのとおり。
美本なら1冊5千円から1万円ぐらいするこういう装幀の平凡社の乱歩全集も、
函欠け本を1冊5百円で手に入れ、こうしてやったら、あら、これはこれでなんかカッチョイイではないですか。
ということで、これからも喜国は函を作り続けるのです。
『函欠け本はもう恐くない!』