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| 高木彬光 | |
| 占い推理帖(手相編) ポケット文春 S38年 | |
| 論理の解明を主眼とするミステリ作家が占いなんぞに興味を持っていいのでしょうか。ちなみに僕は世のすべての占いを信用していません。100歩譲って「統計学の都合のいい解釈」程度の認識です。そういえば高木彬光を師と仰ぐ島田荘司も好きでしたね占い。延々生命線がどうした、金星がどうしたのオンパレードの全くどうでもいい本です。100P(ポイント)。 | |
| 占い推理帖(人相編) ポケット文春 S41年 | |
| それに比べてこっちは各界著名人の顔を例に取り、その性格診断をしていて、読み物としてちょっとは面白くなっています。編集サイドからの要望だったのでしょうかね。王貞治や田中角栄などのいかにもな人に混じって乱歩や戸川昌子が取り上げられています。ちなみに乱歩についての記述はこうです「無表情な顔は、その人間が内面的で、自分の心のまわりにかたい壁を作り、他人に中をのぞかせまいとする性格の持ち主」。さすがに、これではまずいので「先生の場合はその内向性が探偵小説への情熱と結びついて初期の傑作群となって結実した」とフォローしています。でも、この程度の占いなら僕でも出来る、よね。80P。 | |
| 手相占い 角川びっくり文庫 S56年 | |
| 占い推理帖(手相編)と同じ内容です。なのでこの場合は「角川びっくり文庫」なるものが存在していたことの方が、意味が大きいです。90P。 | |
| 邪馬台国の陰謀 文華新書 S53年 | |
| 古本友達のkashibaさんに交換本で譲ってもらいました。 神津ものの名作『邪馬台国の秘密』における「邪馬台国の場所特定の推理が自分の学説の盗用だ」と古田武彦という人から抗議を受け、「バカ言うな、そんなの知るか。この売名野郎が」という高木彬光怒り反論書。この本についての詳しい解説はkashibaさんのホームページにあります。曰く「そのマジ切れ度は芸の域まで達している」そうです。その様子は「ハレンチきわまる偽学者」「抜け作」「インチキエセ学徒」の字が躍る目次からだけでも推察できます。名著、らしいです。採点不能。お薦め。 |
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| 林 髞(木々高太郎) | |
| 頭のよくなる本 カッパブックス S36年 | |
| サブタイトルの『大脳生理学的管理法』が示すように推理クイズのような娯楽本ではありませんし、この本のどこにも推理作家の肩書きがありません。脳のメカニズムや効率の良い勉強の方法、正しい食事と睡眠の取り方、アレルギーやストレスについて書かれています。 カッパブックスからはもう一冊『頭脳--才能を引きだす処方箋』というのが出ているらしく、そっちの方はもっと学術的に書かれているそうで興味あります。いえ、正直に言うとないです。70P。 |
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| 浜尾四郎 | |
| 強力犯篇(防犯科学全集4) 中央公論社 S10年 函 | |
| 元検事の面目躍如の本です。詳しいことは浜尾のコーナーに書きましたので興味のある人はそっちを見て下さい。20P。 | |
| 桑山善之助(朝山蜻一) | |
| 科学としての資本主義と社会主義 同成社 S45年 函 | |
| 栃木の古本友達が見つけてくれました。ネットでさんざん朝山の本名を連呼していたおかげの奇跡の産物です(仰天の騎士さんサンクス)。いやぁ、しかしこの本は……。もしこれがどこかの経済大学の教科書だったとしても、一人の学生も買わないでしょう。目次を見るのもイヤになるほどクソ真面目でお堅い学術書です。官能小説作家にはインテリが多いと言います。僕の好きなとある作家はマルクスの翻訳書があるそうですし、マゾ小説を書いていた朝山もしかりです。なので、マゾ漫画描いている喜国もきっとインテリです。絶対そうです。200P。 | |
| 佐野昌一(海野十三) | |
| 推理学校 虫食い算大会 東京力書房 S25年 | |
| 海野の死後に発見された原稿を元にして本が出来ています。虫食い算というのは計算式のところどころが抜け落ちていて、そこにどんな数字が入るか考えるパズルです。 僕は大変なパズルマニアなんですが、虫食い算は難しいので好きではありません。しかもこの本の困ったところは答がついていないことです。返信料同封で申し込めば、解法と答えを教えてくれることになっていますが、そこまでして解きたくないです。医学博士、林 髞(木々高太郎)の序文があります。ついでに佐野昌一の肩書きは工学士。60P。 |
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| 推理学校 虫食い算大会 学生社 S46年 | |
| 内容は上の本と全く同じです。序文の米田麟吉理学博士の「昨年の2月うんぬん」が「いまから20年ほど前の昭和24年の2月」に変わっているだけです。おいおい、20年前の本をそのまま出すなよ。せめて序文ぐらい新しい人を使ってよ。大乱歩とかの序じゃないんだからさ。こういうところで出版社の良心が分ろうってなもんです。どっちにしても買わないけどね。買ったけどさ。 答えがついてないのは相変わらずなのに、手紙での質問に応じるというサービスさえなくなって、本としては全くのダメ本に格下げ。とあるネット古本友達は当時、ラスト手前の問題が解けなくて千円ほどの金を払ってスーパーコンピューターに解いてもらったそうです。ちなみにその問題は七桁の数字を六桁で割ると、答えが二桁、割り切れない余りが小数点以下二桁めから九桁ごとに循環するという強烈なもの、使われている140個の数字全部が虫食いという化け物(最初の持ち主は頑張って14個ほど数字を埋めてます)。 探偵小説はでたらめなのが多いくせに、こんなところだけ真面目でさ。こんな問題を書いている暇があったらもっと探偵小説書いててくれれば良かったのに、海野十三。30P。 |
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| 森下雨村 | |
| 猿猴川に死す 関西のつり社 S44年 | |
| タイトルだけ聞くとハードボイルド小説みたいですが、出版社で分るように「つり随筆」です。 昭和15年に、父親の病気をきっかけに執筆活動を引退し、郷里の高知に帰農してからの釣り三昧の日々を綴ったエッセイ(そして遺稿集)です。 松本清張、井伏鱒二(おお!)、横溝正史の愛ある序文があり、その横溝曰くの「晴釣雨読の生活」はうらやましい限りです。僕は故郷に帰る気はありませんが、リタイア後はこういう生活を送りたいものです。僕ならさしずめ「晴(古書)市雨読」でしょうか。100P(でも面白い)。お薦め。 |
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| 三橋一夫 | |
| 天災・人災心得帖 サンブックス S50年 | |
| なんか武道や強健法に興味が移ってるみたいです、三橋一夫。とあるデパート市の目録で当たった本なのですが、差し出された瞬間に「しまった、いくら何でもこれはあの三橋の本ではない。間違えた!」と後悔したほど全く普通のそっち系の本の装幀。だって裏表紙の著者の主な著書欄のどこにも不思議小説やユーモア小説が載ってないんだもの。家に帰って生年や卒業大学の一致を見て初めて安心した次第であります。 内容は地震のときの避難場所、てんぷら鍋に火が入ってしまったときの対処の仕方、頭痛のときの足のツボ等を教えてくれています。どうでもいいです。他に『百円健康法』『ヒフ健体術』『霊智療法』等の著書があるみたいですが、もういりません。100P。 |
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| 日影丈吉 | |
| ミステリー食事学 教養文庫 86年 | |
| カバー袖の紹介文によれば「著名な料理人を育ててきたフランス料理の大家」らしいです。知らんかった。このエッセイはミステリマガジンに連載されたものがメインになっていて、ミステリについても言及されているのが残念(いや、読み物としてはそれで正しいのだけれど、このコーナー的には面白くない)です。持っていませんが『味覚幻想』もこういう内容なのでしょうか。本物のレシピ本なら、もっとポイント高しなのですが。10P。 | |
| 黒岩涙香 | |
| 弊風一斑 蓄妾の実例 教養文庫 92年 | |
| 名古屋の古本友達に譲ってもらいました。 数々の新聞紙の主筆を歴任した涙香、これはそのうちの一つ「萬朝報」に連載された。 女性の地位向上を訴えていた涙香が、当時男子の玩弄であった妾に同情し、妾を持つ男子に反省を促したもの。等というとつまらなさそうだが「品川東海寺住職秋庭以啓は茨城県筑波郡矢田部町山口勝太郎の長女てい(29)なる妾を寺内の隠居所に置けり。以啓は最早60の老僧なり」等の実名オンパレードが延々続くとんでもないもの。今なら間違いなく名誉棄損でしょう。全部で500人のけしからん男子の名前が載っています。こんな本を出す教養文庫ってすごいと思うが、もっとすごいのはこの本が現役だということです。120P。 お薦め。 |
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| 小野小町論 教養文庫 94年 | |
| 上の本に比べたら普通の本です。やはり現役。100P。 | |
| 泡坂妻夫 | |
| 魔術館の一夜 教養文庫 87年 | |
| ほとんど玄人マジシャンの泡坂妻夫がマジックについて書いたエッセイです。創作マジックで石田天海賞(と言われても門外漢にはさっぱり分らないけれど)を受賞という経歴を持ちます。中に「佐野昌一の虫食い算大会の本に夢中だった」との記述があり、このコーナーにぴったりの本で嬉しくなります。 泡坂の奇術関係の本は他に『ミステリーでも奇術でも』文春文庫(92年)があるけれど、そっちはミステリーについても触れているのでこのコーナーからは外しました。 泡坂に限らず、ミステリ作家には手品を趣味とする人が多いです。北村薫さんや綾辻行人さんには目の前で実際に演じてもらいましたが、さっぱり見抜けませんでした。50P。 |
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| その他の副業(あるいは本業) | |
| あと何があったかな。小酒井不木の医学書が何冊かありますが、全集なのでカット。 角田喜久雄の『東京埋蔵金考』(中公文庫)というのがあるけれど、時代小説家だから当たり前といえば当たり前の著作。 戸板康二の歌舞伎関連書物は多分現役でたくさん出てるし、古書店でも均一棚でたくさん見るので、なかなか買う気がおこりません。 島田荘司の都市論とか車の本はどうなんでしょう。僕は興味がないけれどファンの人は読んでいるのでしょうか。 あ、どうしても欲しい本を思い出しました。水谷 準のゴルフの関連の本です。うん、これは欲しいぞ。ウソですけどね(笑)。 |
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